今年は自分軸で生きるわ、他人軸にはならないわ
他人軸も自分軸も両方大事だよ
他人軸だと相手に振り回されてしまうというイメージがありますが、本当にそうでしょうか?じっくりと考えてみると、実は他人軸も大事なのではないかが観えてきます。
・そもそも他人軸ってどうしてダメなの?
・本当の問題は他人軸と自分軸が混ざっていること
・分け方のコツ教えます
そもそも他人軸ってどうしてダメなの?
「他人軸で生きるのは自分の生き方ではない」 私たちには、いつの間にかそんな刷り込みが頭の中に入っています。
その理由は、
・相手に合わせてばかりになってしまう
・自分の意見を発言できなくなってしまう
・周りに振り回されてしまう
・他者のことばかり、自分のことが何もできない
・誰のために生きているのか分からなくなる
他人軸で生きることがダメなのは、生きる意味を見失い、いてもいなくても変わらない存在になってしまうという、存在喪失の危機がやってきてしまうからです。
これはダイレクトに尊厳の危機でもあります。
軸を持つことの意味
軸を持った生き方とはどういうことなのでしょうか?
太陽系やおもちゃのコマを観察すると、中心となる軸にそって軸以外の部分が一定の軌道を描いていることが分かります。
多くの人が軸を持った生き方を望むのは、中心となる軸を持つことで、一貫性のある人間関係や考え方を持てると思っているらです。
軸を持った生き方と持っていない生き方の違いを比較してします。
- 軸を持った生き方:
考え方や思い方が一貫している。
心や感情が安定している。
どんな人とでも同じ関係をつくることが出来る。
前向きであり創造的な生き方が出来る。
自分の生き方に責任を持っている。
- 軸を持っていない生き方:
考え方や思い方がバラバラ。
心や感情の起伏が激しい。
人によって付き合い方が変わる。
自己顕示欲が強いか、存在感が薄い。
自分が何をしたいのかいつまでも決められない。
軸を持っていると一貫性があり、軸が無いとフラフラしている印象があります。
ここで「ん??」と思ったことがあります。 他人軸も、軸をもった生き方といえるのではないか、と。
本当の問題は他人軸と自分軸が混ざっていること
他人軸を選択し相手の意向を理解することは、チームやパートナーにおいては重要です。
チームのリーダーが何をどう考えているのかを、チームメンバーが十分に理解出来ていれば、チームとしてのパフォーマンスはとても力強いものとなります。
また、リーダーとサブリーダーの関係や子育て中の夫婦の関係にも、相手の軸をちゃんと選択出来ることは、ゆるぎない安心感をもたらしてくれます。
記憶に新しい2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。 日本の優勝で幕を閉じ、そのチーム力を絶賛する記事をよく見かけるようになりました。
日本代表を率いた栗山英樹監督が大切にしていたのは、自ら声をかけコミュニケーションをとることと選手を信じ切ることだったそうです。
チームリーダーの役割を果たしたダルビッシュ有選手も、栗山監督と同じように自ら若手の選手に声をかけ、人見知りな選手のために、その選手を囲むオフ会を開催をしたりと、フラットな信頼関係を率先して行っています。
多くの方が絶賛する日本のチーム力を発揮できたのは、監督とチームリーダー、そしてチームメンバー全員が、信頼関係という同じ軸に沿った選択をしていたからだと言えそうです。
実は、他人軸を選択できることは、自分軸の生き方と同じくらい大切なのです。
ではなぜ、多くの人が他人軸の生き方に苦しんでいるのでしょうか。 それは、他人軸と自分軸が混ざってしまっているからです。
他人軸を『選択』することができれば問題はありません。 しかし、他人軸と自分軸が混同していると、相手を気にしながら自分の意見を考えてしまったり、主義主張しようするあまりに相手を否定してしまったりと、理想と現実が一致しない結果が生まれてしまいます。
この問題を解決するには、他人軸と自分軸をしっかりと分けて、選択する必要があります。
他人軸と自分軸の分け方
同じ世界を認識している思い込みからの脱却
他人軸と自分軸が混同してしまうのは、相手が認識している世界と自分が認識している世界が同じだという思い込みがあるからです。
自分が見ている世界と同じ世界を相手も見ていると思っていませんか。
自分が感じていることと同じことを相手も感じることが出来ると思っていませんか。
自分が理解出来たことは、当然相手も理解出来ると思っていませんか。
お互いが認識している世界は全く異なります。
「他人軸」という単語ひとつとっても、それをどう思い、感じ、どのような物語を連想するのかは、ひとり一人異なります。
同じように、自分のことをどう思うのか、人間関係をどう思うのか、あなたにとっての軸とは何かなど、まったく同じ認識を持つ人はいません。
同じ単語で表現していたとしても、認識している世界は全く違うのだと理解する必要があります。
このように、まずは、同じ世界を認識しているという思い込みから脱却する必要があります。
他人軸と自分軸の理解体系を分ける
認識している世界が同じだと思っていると、相手の発言のすべてを自分の理解体系で捉えてしまいます。
理解体系とは、何に基づいて理解するのかを表したものです。
多くの人は、自分の経験に基づいた理解体系を持っています。
Aさんの発言のすべては、Aさんの経験に基づいています。 単語ひとつ、判断ひとつ、行動ひとつとっても、脈絡やニュアンス、意味や世界観の全ては、Aさんの脈絡であり、他の人の脈絡ではありません。
しかし人はしばしば、Aさんの発言を自分の経験に基づいて理解してしまいます。 これが他人軸と自分軸が混同した瞬間です。
相手が発言するすべての脈絡やニュアンス、意味や世界観は、相手に確認する必要があります。相手の理解体系に基づかなければ、相手を理解したとは言えません。
最後に、他人軸と自分軸を分ける手順を整理しました。 これができるだけでも、理解力は数段アップするはずです。 意図した取り組みで昨日とは違う自分に踏み出していきましょう。
1.自分と相手の認識する世界を分ける
2.理解体系を分けて理解する
3.どんなニュアンスなのか、脈絡なのか、意味なのかを相手に確認する
まとめ
他人軸の生き方はダメだと、いつの間にか刷り込まれていたイメージですが、改めて考え直してみると、問題なのは、他人軸と自分軸が混同していたことでした。
自分軸や他人軸をキーワードとした情報はネットにたくさん散らばっています。しかし深堀りしてみると、他人軸で生きるのはダメだという一辺倒な景色とは違う景色が見えてきました。
しっかりと『選択』をして使い分けることが大事ですね。