分かり合うのはどうしてこんなにも難しいのかしら
こんなにも文化が発展しているのに不思議だよね
誰もが一度は感じたことのある、なぜ分かり合うのはこんなにも難しいのだろう。
今回はその疑問を掘り下げます。
・誰もが分かり合いたいのに分から得ない不思議
・脳が起きていること
・未来に向けて何を学ぶべきか
誰もが分かり会いたいのに分かり合えない不思議
誰もが分かり合いたいという気持ちを持っています。
分かり合えたときの感情や分かり合えない時の痛みを誰もが知っているはずです。 なのに、分かり合うのは簡単ではありません。これは不思議なことです。
誰もが知っているのであれば、何をどうすれば分かり合えるのかも当然分かるはずですがそうなってはいません。
なぜでしょうか。
知を共有できたからこそ発展した人類史
2021年に世界中で読まれたユヴァル・ノア・ハラリ著のサピエンス全史には、他にもいた人類種の中でどうしてサピエンス種が生き残ったのかの推察があります。
ホモサピエンスは、虚構を共有することが出来たから生き残ることができた。
私たちは知を共有することが出来たからこそ生き残り、文化文明を発展させてきました。
現在、デジタル化が急加速しているのも、複雑なテクノロジーでさえも簡単に共有することが可能になったからこそです。
しかし、分かり合う時代をつくることは出来ていません。 ということは、私たちがすでに持っている知とは異なる学びが必要ということになります。
同じ単語でも思い浮かぶイメージは人それぞれ
「そらをイメージしてください」と聞いて何を思い浮かぶのかは、人によって異なります。
「青空」を思い浮かべたり「星空」を思い浮かべたり。漢字の「空」や名前が「そら」の人をイメージするなどそれぞれです。 このことから、「そら」と聞いて思い浮かべるイメージは、共通の知識ではなく個人の知に由来していることが分かります。
では個人のどんな仕組みによって起きているのでしょうか。それは、脳の認識構造です。
脳では自分の記憶である過去のデータバンクにアクセスをして、「そら」とは何かを理解しようとします。
人により過去のデータバンクの情報は全く異なります。
その時のタイミングによっても「そら」がデータバンク内のどんな情報と関連付けられるのかも異なります。
この脳のシンプルな仕組みが、分かり合う困難さを生み出しています。
私がみている現実は私が解析した結果の世界
これを書いている時、ちょうど東京に雪が降りました。 雪の勢いで、どんどんと見慣れた風景は雪景色に変わっています。
この雪に対してインターネット上では、楽しんでいる人、交通機関を心配する人、愚痴を言う人、人の意見に意見する人と様々です。
雪景色をどう思い、どう感じ、雪とは何かを考えた結果が、その人が見ている現実になります。
現実とは、すべての人と共有している世界ではありません。
現実とは、本人が解析(思った、感じた、考えた)した結果の世界です。
私たちは、自分が解析した結果を現実として生きています。
分かり合うのはなぜ困難なのか
脳の認識構造から考えると、私たちは単語一つでさえも思い浮かぶイメージが異なることや、自分が解析した結果の世界に生きているということが観えてきます。
お互いが自分の解析した世界を見ているのであれば、当然、分かり合うのは難しくなります。
さらに、そのことさえも気付いていないのであれば、分かり合うのは不可能と言っても過言ではありません。
その難易度は、自分の見ている世界との疎通さえ難しいことが物語っています。
自分が見ている世界は自分が解析した世界ですが、どんな世界が生まれるのかは、自分自身さえも、解析してみなければ分かりません。
何をどう思い、どう感じ、どう考えているのかは、具体的に解析してみなければ、表現することも、共有することも難しくなります。
分かり合うことが困難なのは、自分が見ている世界でさえも疎通することが難しく、解析した結果を現実として生きてしまう仕組みを理解できていないことが原因です。
仕組みが理解出来れば、疎通するとはどういうことなのかもみえてきます。
自分が見ている世界が解析の結果であれば、相手が見ている世界も相手の解析の結果です。
相手の解析した世界を自分に認識再現することで初めて、他者と意志疎通することが出来ます。
未来へ向けて何を学ぶべきか
近い将来、メタバースやIOT技術が加速し、オンラインでの生活がスタンダードになるでしょう。
どんなに技術が進んでも、人間自身が変わらなければ、これまでと同じく、人間関係に悩む生き方を続けなければなりません。
今までの教育は、自分自身をしっかりと表現し、自分と対話するよりも、正しいと言われることを覚え従う教育でした。 これでは、残念ながら自分の解析でさえも観察することが出来なくなってしまいます。
認識構造という誰もが持っている脳の仕組みに基づいて、自分がどんな世界を生み出しているのか、そして相手がどんな世界を見ているのかと疎通する技術が必要になります。
誰もが分かり合える時代をつくるには、新たな学びが必要です。
まとめ
誰もが分かり合う感覚や分かり合えない痛みを知っているのに、どうして分かり合う時代は作れないのか、その疑問を掘り下げました。
すべての人が、自分の解析している世界しか見ていないからという内容でしたが、どうだったでしょうか。
その!感想によって、あなたの中ではこのブログが現実のものとして存在することになります。
それがあなたの見ている現実です。
この仕組みが理解できることが分かり合うためには必要だということですね。
一歩ずつ理解を進めていきましょう。