分かり合う時代をめざして

人間を深く理解するトライアングル【疎通のメカニズム5】

人間を深く理解するトライアングル
waku

人を理解するのって難しいわ

Kuru

自分や相手もふくめて人間を深く理解するトライアングルを紹介するよ

知識や情報に頼らず、自分や相手を含めた人間を深く理解する力をつけるにはどうすればいいのでしょうか。理解を深めるトライアングルをご紹介します。

✓記事の内容

・理解起点は自分
・深く理解するプロセスとは
・自分と相手そして人間

目次

人間への理解を深める起点は自分

相手を理解するには、まず自分のことを深く理解する必要があります。
自分が何を感じているのか分からないければ、相手が何を感じているのかを理解することも、関心さえ得ることが出来ません。
すべては、自分に対する深い関心と理解が起点になってきます。

しかし、自分のことを深く理解すると言ってもなかなか難しいものです。 さらに、人間のことを深く理解するとなると、大きすぎて何をどうすればいいのか分からなくなります。

また、情報知識に基づいて理解を深めたとしても、目の前の相手や自分自身を深く理解するには限界があります。

深く理解するには、自分自身の理解力を高める必要があります。

相手を深く理解するときに通過するプロセス

深く理解する理解力には、誰もが通過する段階があります。

1.自分とつなげすぎて訳が分からなくなる

理解を自分とつなげ過ぎ同一化してしまうと、相手の悲しみや辛さに共感しすぎて、自分も一緒に悩み始めてしまうことになります。

人の悩みは、「何をどうすればいいのか分からなくなる」ことで始まります。

客観性がなく共感しすぎてしまうと、一緒に迷子になってしまい、訳が分からなくなってしまいます。

2.客観的になり過ぎて無機質な会話になる

客観的になり過ぎる理解は、「ふーんそーなんだ、そーなんですね」ばかり繰り返してしまい、感情的な共感が出来なくなります。また、情報知識を押し付ける会話になりがちです。

心理学やコーチングなど、技術的なロジックを身に付けたばかりの人に起きやすいパターンです。

客観的に理解しようとするばかりに、自分と相手が分離しすぎて感情的な理解が出来なくなり、情報知識のアドバイスばかりを語ってしまうことがあります。

3.自分とつなげた上で客観的に理解することが出来る

自分とつなげた上で客観的に理解できるようになると、自分の感情や感覚を殺さずに、しっかりと相手に寄り添える理解が出来るようになります。

技術やスキルで身に付けているロジックと相手の感情や考えのカオス、さらに自分自身の感情や感覚を組み合わせることが出来るようになります。

相手の言語化できない心の声を言語化して表現できます。

やみくもに解決しようとせず相手がどうしたいのかに応じて、傾聴だけにとどめたり、決断まで導いたりと案内をすることが出来ます。

waku

思い当たることがあるわ

人間を深く理解するトライアングル

相手や人間を理解するには、自分のことを深く理解する必要があります。
相手が感じているニュアンスは捉えるのが難しいですが、自分の感じているニュアンスならじっくりと感じ取ることが出来ます。

自分、相手、そして人間を深く理解するためには相関関係を取り入れると理解が深まり、自分の理解力が上がります。

1.自分を通して人間を理解する

自分に対する気付きや発見を人間に対して当てはめて考えます。

◆「大きな怪我をして人生を悲観してしまった」
・なぜ自分は怪我をしたくらいで人生を悲観してしまったのか

・なぜ人間は怪我をしたくらいで人生を悲観してしまうのか。
『なるほど、人間は一時的なショックで動揺する不安定さを持っているのね』

◆「イライラしてつい相手にあたってしまった」
・なぜ自分はイライラすると人にあたってしまうのか

・なぜ人間はイライラすると人にあたってしまうのか。
『なるほど、人間は感情的になると盲目的になり見えなくなるのね』

自分に対しては細かなニュアンスを探ることが出来ます。
その尺度を自分ゴトを前提で考えるのではなく、人間共通のパターンとして考えることで、異なる観点から気付きを再認識し、新たな知見を得ることが出来ます。

2.人間を通して相手を理解する

人間に対する気付きや発見を相手に対して当てはめて考えます。

◆「人間は分かり合えないことに傷つく」
・人間は分かり合えないと心に傷を負う

・相手も分かり合えないことで傷を負っているのではないか
『あの人の言動の奥底に心の傷があるのだとすると理解できる』

◆「人間は事実を確認せず思い込んでしまう」
人間は事実を確認せずに勝手に思い込み、行動や発言をしてしまう

相手も事実と思い込みを分けることが出来ていないのではないか
『この人は事実と思い込みを混同していると行動が止まるようだ』

自分と相手を比較してしまうと、自分の経験で相手の話を理解しようとしてしまい、誤解や思い込みをしがちです。
人間共通の観点から相手を理解することで、汎用性の高い指標に基づいて理解を進めることが出来ます。

3.相手を通して自分を理解する

◆「相手が理解してもらえず怒っている」
目の前の人が理解されていないと怒っている

自分も理解されないと怒りがでてくるのだろうか
『理解できて当然だと思っているコトには怒りが出てきやすいな』

◆「相手が新しいチャレンジにワクワクしている」
目の前の人が新しいチャレンジにワクワクしている

自分がチャレンジすることにワクワクするとしたら、どんな感覚なんだろうか
『楽しくて、もっと〇〇したいということしか考えなくなるな』

自分の世界と相手の世界は多くの異質性を持っています。
相手の持つ異質性を自分ゴト(自分だったらどうなんだろう)に置き換えることで、自分自身の内面を深く理解するきっかけを持つことが出来ます。

脳は違いを通して理解する

私たちの脳には違いを通して理解する仕組みが備わっています。

A:眠気覚ましにはガムが有効です。
B:眠気覚ましにはガムの方がアメよりも30%も効果があります。

AよりもBと言われた方が理解が鮮明です。

理解を深めるにはこの違いをうまく使うことが必要です。
人間を深く理解するトライアングルは、脳の機能を活用したスキルです。

自分-人間

人間という普遍的な尺度と異質性があり漠然としている相手を関係付けることで、相手が何を見ているのか、何を感じているのかの理解が深まります。

人間-相手

人間という普遍的な尺度と異質性があり漠然としている相手を関係付けることで、相手が何を見ているのか、何を感じているのかの理解が深まります。

相手-自分

異質性と漠然としている相手と自分を関係づけ、相手の様々な言動を自分ゴトに置き換えることで、「私だったらどう感じるんだろう」「それはなぜだろう」と自分を深堀りすることが出来ます。

まとめ

・自分に対する深い関心と理解が起点になってきます。
・理解を自分とつなげ過ぎ同一化してしまうと、相手の悲しみや辛さに共感しすぎて、自分も一緒に悩み始めてしまうことになります。
・客観的になり過ぎる理解は、「ふーんそーなんだ、そーなんですね」ばかり繰り返してしまい、感情的な共感が出来なくなります。また、情報知識を押し付ける会話になりがちです。
・自分とつなげた上で客観的に理解できるようになると、自分の感情や感覚を殺さずに、しっかりと相手に寄り添える理解が出来るようになります。
・人間共通のパターンとして考えることで、異なる観点から気付きを再認識し、新たな知見を得ることが出来ます。
・相手の持つ異質性を自分ゴト(自分だったらどうなんだろう)に置き換えることで、自分自身の内面を深く理解するきっかけを持つことが出来ます。
・人間を深く理解するトライアングルは、脳の機能を活用したスキルです。

励まし 心理学では人間の悩みはほぼ人間関係にあるとされていますが、今回お伝えしたように、深く理解する要素で溢れているのも人間関係だと言えます。

人間関係のマイナス面ばかりを見てしまうと、人間がつまらない、人間であることがつまらなく感じてしまいます。

人間関係は自分の理解力を高める要素で溢れているととらえると、たくさんの学びを得ることが出来ます。

人とのコミュニケーションの中に取り入れていくと持続しやすいですよ。

人間を深く理解するトライアングル

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