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【不完全性主義の深堀り01】不完全な自分が陥る不完全性主義

不完全な自分が陥る不完全性主義
waku

最近、ダメ出しばかりしている気がするの

Kuru

不完全性主義にハマっているんじゃない?

不完全な自分を自覚すると、ついつい不完全だと思い込んでいる考え方を変えようとしがちです。根本的に変えるのであれば、不完全性主義の理解を深める必要があります。今回は、ネガティブ思考や誹謗中傷など、尊厳を否定する不完全性主義についてお伝えします。

✓記事の内容

・止まらない自己否定や誹謗中傷
・不完全性主義とは
・生きづらさの正体とは

目次

止まらない自己否定や誹謗中傷

自己否定や他者を傷つけてしまう誹謗中傷は、現代では深刻な社会問題として認識されるほど、決して容易に解決できる課題ではありません。

私たちは、尊厳を傷つける行為について、向き合い方を改める必要に迫られていると言えます。

インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件

令和3年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)~法務省の人権擁護機関の取組~より

ネットの誹謗中傷による自殺が明るみになり、ネットの誹謗中傷が厳罰化が2022年10月より施行されます。(https://smbiz.asahi.com/article/14708613

精神疾患を有する外来患者数の推移(疾患別内訳)

令和2年(2020)患者調査の概況 厚生労働省より

気分障害(躁うつを含む)が約1.8倍、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害が約1.7倍と増加割合が顕著に表れています。

いじめ認知件数

文部科学省2020年度問題行動・不登校調査より

2012年に急増したのは、2011年の滋賀県の中学校で起きた飛び降り自殺をきっかけに、学校と教育委員会の隠ぺいが大きく報道され、SNSの普及と合わせて、実体を明らかにするべきという社会が形成されたことが大きな要因です。

どのデータも解決した結果を示してはいません。 法令化や厳罰化などの対策は行われてはいますが、このままでは根本的に解決できず、ゆるやかに変化する現状が続くだけです。

では、どのように向き合えばいいのでしょうか。
自己否定や誹謗中傷など、尊厳を傷つける行為に共通するのは、不完全さを否定する行為があります。

不完全さを否定する不完全性主義

不完全さを見つけそれを否定することは、日常の中ではよくあることです。 何気ない会話や買い物、仕事の中にも当たり前に様に見かける風景にすぎません。

しかし、不完全さを見つけ出し、不完全であると否定する行為を執拗に繰り返してしまうと、精神的な影響は大きなものとなります。

今回ご紹介するのは、本人も気付かない無意識のうちに、不完全を見つけては不完全だと否定する行為を繰り返してしまう、不完全性主義についてお伝えします。

不完全性主義とは何か

不完全さを否定する

不完全性主義の特徴は、「不完全を見つけては不完全であると否定する」です。

他者と比較したり、常識を持ち出したり、皆は…と異質さを強調しながら、「出来ないこと」「足りないこと」「理解できていないこと」などの不完全さを明らかにしようとします。

さらに、不完全さの否定が、人格や尊厳の否定までも及ぶことが、不完全性主義の特徴です。

不完全性主義の特徴5項目

不完全性主義に陥るとその視野は狭くなり、思考や感情もワンパターンになってしまいます。

1.不完全を見つけては不完全であると否定してしまう
2.不完全性を否定する(不完全性を肯定できない)
3.不完全性に影響を受けた関係構築をしてしまう
4.自分自身や他者、現象の全体を不完全だと否定してしまう(尊厳を否定してしまう)
5.不完全性を補う手段として否定してしまう

不完全性主義の原因は、個性や人格ではなく、脳の認識構造によって起きるため、誰もが不完全性主義を持つ可能性があります。

幼児期のイヤイヤ期や思春期の反抗期なども、不完全性主義の結果です。
人生の経験の中で、不完全さに対して何を学ぶのかによって不完全性主義が強い人と弱い人に分かれます。

不完全性主義が働くスイッチとは

不完全性主義は、不完全性と自己存在が結びつくと発動します。
さらに、自己の不完全性を自覚するとそれがスイッチとなり、不完全性主義が走り出してしまいます。

幼少期から成人するまでに、不完全性と自己存在が強く結びつく経験をすることで、不完全性と自己存在が結びつき、不完全性主義の発動が常態化します。

不完全性主義の主義とは、自己存在を現わす主義主張を指しています。
つまり、自分という自己存在を現わそうとすればするほど、不完全性主義が強くなる傾向にあります。

自己価値が低い、自尊心が低い、自己肯定感が低い、などのネガティブ思考は不完全性主義の結果です。

不完全性主義が働く限り続く生き辛さ

私たちが生きる世界はすべて、不完全さを持っています。 私たちの脳が部分しか認識できず、さらに部分情報だけで全体像を決めつけてしまうためです。

脳を通して私自身や世界を認識するため、人生には不完全が溢れる結果となってしまいます。
そのため、不完全性主義が発動している時は、生き辛さを感じやすくなります。

不完全性主義は、脳の認識構造に基づいて勝手に働いしまうため、統制することが出来ません。 気付いたら頭の中に否定する考えが生まれ、感情と結びつき、溢れ出して心を縛り付けてしまいます。
しかし、不完全性主義に対する理解を深め、無意識にある発動条件を変えることが出来れば、不完全性主義から自由になることが出来ます。

これまでは、個人の問題として扱われることの多かった尊厳を傷つける行為を、不完全性主義という脳の認識構造が起こす人類共通の問題として向き合うことで、新たな希望を見出していきたいと思います。

次の記事では、不完全性主義の仕組みを解説します。

まとめ

・私たちは、尊厳を傷つける行為について、向き合い方を改める必要に迫られているのではないか。
・自己否定や誹謗中傷など、尊厳を傷つける行為に共通するのは、不完全さを否定する行為がある。
・不完全性主義の特徴は、「不完全を見つけては不完全であると否定する」。
・不完全性主義は、不完全性と自己存在が結びつくと発動する。さらに、自己の不完全性を自覚するとそれがスイッチとなり、不完全性主義が走り出してしまう。

これまでは、不完全な自分がいる限り、生き辛さは感じ続けてしまうものでした。
そのため、自分に対する諦めや人間関係への不信など、払しょくできないネガティブを持つのが人生でした。
しかし、向き合い方が変われば、解決できるものになります。

今回は、バラバラに思いやすい自己否定や誹謗中傷、いじめなどの尊厳を傷つける行為の全ては、不完全性主義が働いている結果という内容をお伝えしました。

人間は様々な観方を持つことが出来ます。 その可能性を十分に生かして、希望を自らつくりだしていきましょう。

ありがとうございました。

不完全な自分が陥る不完全性主義

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