人間はほとんどが無意識だって言われているけど、その辺はどう考えているの?
認識構造とその影響を受けた解析パターンを無意識と位置付けているよ
今回は私たちの考えや感情、イメージがどのように動いているのかを説明する解析パターンについてお伝えします。人はなぜ悩むのか、否定するのか、視野が狭くなるのか、所有したがるのか、それらはすべて解析パターンがさせることです。
・私たちが受けている脳の影響
・脳が考えに与える影響
・解析パターンとは
私たちのは脳の影響を受けている
私たちは脳で考え感じています。 当たり前ですが、脳が停止すれば日常生活もストップします。
これは脳の影響を常に受けていることを意味します。
脳には認識構造という世界を理解する仕組みがあります。
認識構造とは
認識構造は、認識のクセと解析サイクルで成り立っています。
認識のクセとは
認識のクセは、「部分だけをとる」「違いだけをとる」「過去とつなげて認識する」「有限化する」という4つの条件があります。
これは、私たちの脳が常に、部分や違いを見ている、過去とつなげた理解をすることを示しています。逆に言えば、全体や今ここを理解することが出来ません。
解析サイクルとは
解析サイクルとは、考えたり感じたり考えたりしている時のプロセスを表したものです。 「What」→「条件・状況・環境と照らし合わせた解析」→「解析の結果」→「過去のデータバンクのインプット」を繰り返しサイクルし続けることから、解析サイクルと呼んでいます。
Whatとは、名前を付けて理解しようとすること。 条件・状況・環境と照らし合わせた解析とは、Whatを前提に条件・状況・環境に対応させる解析を働かせます。 解析の結果とは、結論です。 過去のデータバンクにインプットとは、記憶という過去のデータバンクに解析の結果がインプットされることを意味しています。
解析とは
考え、感情、イメージ、エネルギーを総称して解析と呼んでいます。
思ったこと、感じたこと、考えたことを解析、または解析の結果としています。
その人が何を見てどんな認識をしているのかはすべて、解析に現れてきます。 その人の解析がその人が見ている現実の世界です。
脳の認識構造が解析に与える影響
私たちが思ったり感じたりするのは、認識構造が働いた結果です。
認識構造が構造的な仕組みを持っているのであれば、解析も構造的な動き方をします。
解析の構造的動きを示したのが解析パターンです。
解析パターン
1.全体像がコロコロ変わる
2.確信が持てない
3.足りない何かを補おうとする
4.相対比較
5.〇×、機械的条件反射
6.尊厳・可能性の喪失
1.全体像がコロコロ変わる
認識構造が働くと、部分情報だけをとって全体像を決めつけてしまいます。その結果、同じ存在であってもどの部分情報を見るのかで、存在の全体像がコロコロと変わってしまいます。
2.確信が持てない(何か足りない)
確信とは、条件によって全体像が変わらないことを指しています。条件・状況・環境によって全体像がコロコロと変わってしまうため確信が持てなくなります。何かが足りないという欠乏感が生まれます。
3.足りない何かを補おうとする
脳は何かが足りないと認識するとそれを補おうとします。特に、自己存在についての足りなさには強く反応します。
4.相対比較
補うための情報を相対比較しながら集めます。
5.〇×、機械的条件反射
集めが情報を選択するために〇×で判断します。その解析の結果が過去のデータバンクにインプットされ反復されると、機械的条件反射で勝手に脳が判断してしまいます。
6.尊厳、可能性の喪失
部分情報だけで自分自身を決めつけ、そこから〇×基準で自分を判断することが蓄積されると、自らの解析で自分の尊厳や可能性を喪失してしまいます。
私たちの生きる世界は解析パターンに基づいている
心理学では自覚できる意識は3パーセントほどで、97%を占める無意識に覆われていると言われていますが、その無意識とは何かを具体的には示せていません。
その無意識の具体的な表現のひとつとして、1次無意識を認識構造、2次無意識を解析パターンと置くことが出来ます。
私たちが思う現実の世界とは、認識構造から解析パターンを通過した結果の世界を、意識している世界=現実の世界として生きています。
解析パターンはその構造ゆえに、多様な不確実をつくりだします。 この不確実は、解析パターンの深い理解によることで創造性に変わりますが、解析パターンに対して無知の場合は、不安や不完全性を生み出すことになります。
私たちは解析パターンに基づいた世界に生きています。
認識構造に問題はない、認識構造の観点に固定されるのが問題
解析パターンの説明を聞くと、認識構造に問題があると思ってしまいますが、それは違います。
認識構造に問題があるのではなく、認識構造に固定されていることが問題なのです。
認識構造に固定されていると、自分の解析を観察することが出来なくなります。
自分が部分情報だけで決めつけていることや、何を足りないと認識しているのか、〇×の基準で判断していることに気付けなくなるのが、認識構造に固定されている状態です。
固定されていると、自分の解析が正しいと思い込んでしまい、自分で修正することが難しくなります。
解析パターンが示すこと
解析パターンが起こすことを明確に理解していれば、この仕組みは創造的解析のパターンに変わります。そのためには認識構造の理解とその理解に基づく解析力が必要になります。
解析パターンが示すことは、誰もが、脳の認識構造の仕組みに基づいているということです。
この仕組みと疎通することは、自分自身との疎通と同じ意味を持ちます。
これまで人生で蓄積してきたすべてのことは、この解析パターンでほどくことができます。
また同時に、自分と脳の仕組みを分離して考えることで、客観的に自分の解析を観察することができ、解析のデザイン編集能力を得ることができます。
子どものころに母親から言われたショックな一言、学生時代に友人からされたこと、思い出すと勇気が湧く思い出、今の人生を決めたあの決断。それらを解析パターンで紐解いて見えてくるのは、その時に自分をどう思っていいたのかというアイデンティティです。 そのアイデンティティはほとんどの場合、今の自分に引き継がれています。
それが今のあなたが対話すべき相手です。
我々はすでに持っている物についてはたまにしか考えないで、常に欠けている物を考える。アルトゥル・ショーペンハウアー
まとめ
解析パターンは私たちがどのように考えや感情を走らせてしまうのかを教えてくれます。
この仕組みを理解することで自分の解析を誰でも観察できるようになります。
自分の解析によって自分の心が振り回されてしまうことが観察出来ることは、そこから自由になる扉を開いたことと同じです。