分かり合う時代をめざして

解析サイクルとは-考え・感情・イメージ共通の仕組み-

解析サイクルとは
waku

思考法や感情のマネージメントの本がたくさん出てるけど、どれから手を付けたらいいか分かんないのよね

Kuru

バラバラなものは共通点の整理から取り掛かるのがセオリーだよ

思考法や感情のマネージメントのすべてに共通する仕組みがあります。それが解析サイクルです。
今回は考えや感情、イメージに共通して働いている仕組みをご紹介します。

✓記事の内容

・解析サイクルとは
・誰もが今この瞬間も使っている仕組み
・解析サイクルはすべてのメソッドに共通している

目次

自ら考え、感じ、イメージできる力が求められている

〇〇思考というタイトルの本をよく目にするようになりました。
感情に振り回されないための本も増えてきています。
メモの魔力のように抽象的なイメージを題材にする内容も見受けられます。

特定の人だけが持っていた情報が、徐々に一般化されているようです。

しかし、考え方だけでもたくさんのメソッドがあり、1冊の本を身に付けるのも簡単ではありません。

主体的に考え、感じ、イメージすることが大事だと分かっていても、これでは正直、難しいと思ってしまいます。

今回は、思考や感情、イメージに共通する仕組みである解析サイクルをご紹介します。

解析とは

解析とは、「思考」「感情」「イメージ」の総称です。

考えを生み出したり、出てきた感情を、具体的なものも抽象的なものも含めて、「解析する」「解析の結果」と呼びます。

解析サイクルとは

解析サイクルは、解析がどのように生み出され、展開していくのかを示したものです。

「Whatを付ける」→「条件・状況・環境に照らし合わせて解析」→「解析の結果」→「過去のデータバンクへインプット」のプロセスで解析がクルクルと展開される様子から解析サイクルと呼んでいます。

Whatを付ける

脳は目の前で起きた事象を名前を付けて理解しようとします。

自分の記憶である過去のデータバンクから情報を引き出しWhatを付けます。

データバンクに情報がなければ「分からない」という解析を生み出します。 似たような情報があれば、「〇〇と似ている」「AとBを足して二で割った感じ」と解析することがあります。

Whatは解析サイクルにおいてすべての前提となります。解析において最も重要なポイントになります。

条件・状況・環境に照らし合わせて解析する

Whatを前提に、「この条件だとどうなるのだろうか」「今の状況ならこちらを選択すべきかな」「環境とズレない判断を気を付けよう」と解析を進めます。

人の顔色をうかがうことや場の空気に合わせて対応すること、自分の経験知や他者の意見に影響をうけることもこの段階です。

交わされるコミュニケーションのほぼ9割がこの段階です。

解析の結果・結論

条件・状況・環境に照らし合わせて、ごにょごにょと考えた後の結論が解析の結果です。

○○とは何か、何をどう思ったのか、どんな判断をしたのか、何を選択したのかなどが当てはまります。 自分でじっくりと考えたことだけではなく、パッと見てふっと思ったことや、なんとなく感じたことも含まれます。

過去のデータバンクにインプット

解析の結果は、過去のデータバンクにインプットされ蓄積されます。

インプット時には、ストーリー性を持つ解析がインプットされやすいことが知られています。(エピソード記憶) 解析の結果の前後の関係や因果関係などの関係性がインプットされます。

認識のクセとの関係(認識構造とは)

認識のクセと解析サイクルを合わせて認識構造と呼びます。
認識のクセと解析サイクルの関係は、認識のクセの土台の上に解析サイクルは働く関係です。
認識のクセが海だとしたら、解析サイクルはお魚になります。

解析サイクルのどのプロセスにおいても、認識のクセの4つの条件の影響を受けています。

認識のクセは部分や過去とつなげて認識しますが、解析サイクルのWhatの段階でも、条件・状況・環境に照らし合わせる解析においても部分をとり、過去とつなげて認識しています。

解析サイクルはすべてのメソッドに共通している

〇〇思考や感情のコントロール、イメージの仕方などはすべて解析サイクルの結果です。

全てのメソッドにおいて共通しているのは解析サイクル、違うのはそれをどこから規定するのかの観点です。

同じ事象でも、Aの観点とBの観点では、どんなWhatを付けるのか、どんな条件・状況・環境と照らし合わせ、どんな結論を生み出すのかが変わります。

全ての人の解析も解析サイクルは共通している

人は解析する存在です。 ということは、すべての人にも解析サイクルは当てはまります。

メソッドと同じように、AさんとBさんでは、どんなWhatを付けるのか、どんな条件・状況・環境と照らし合わせ、どんな結論を生み出すのかが変わります。

普段、コミュニケーションで行われるのは、条件・状況・環境に照らし合わせる解析のパートです。
「この場合はどうなるの」「こんな状況だけどどうすればいい」「こんな課題と向き合っているんだけど」といった具合ですね。

解析サイクルが教えてくれるのは、意思疎通において重要なのは「What」であるということです。

「あなたにとって〇〇とは何か」「私にとって〇〇とは何か」ここを共有せずに行うコミュニケーションは、分かり合う努力が行われていないことを示しています。

すべての知識の拡大は、無意識を意識化することから生じる。
フリードリヒ・ニーチェ

まとめ

・解析サイクルは、「Whatを付ける」→「条件・状況・環境に照らし合わせて解析」→「解析の結果」→「過去のデータバンクへインプット」のプロセスで解析がクルクルと展開される。
・世の中のすべてのメソッドに共通しているのは解析サイクル、違うのはそれをどこから規定するのかの観点。
・普段のコミュニケーションで行われるのは、条件・状況・環境に照らし合わせる解析のパートがほぼ9割。

脳は、どんなに複雑な情報でも、どこから整理するのかの基準点が分かるとスッキリさせることが出来ます。 自分の意見や人の話、何かしらのメソッドをこの解析サイクルを基準に整理してみましょう。

重要なのはWhatです。

解析サイクルとは

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